七色セツナ。2【完】





「・・・朱羽、なんでしょ?」


「え?」


「さっき
友達が言ってた男って、朱羽なんでしょ?」


「あ、う、うん。」


「チッ……

あの野郎……

店長がギックリ腰になって
1週間、こき使われてる間に……

俺が、汗水垂らして働いていた間に、
あの野郎……

花凛ちゃんに会えねーわ、
疲れるわ、
花凛ちゃんに会えねーわ……

抜けがけしやがって……」


恭弥がブツクサ言っている間に、
かき氷が運ばれて来た。


店主は、また奥に引っ込んだ。


どうやら、時代劇を観ているようだ。


店のBGMより
「お代官様!」の声の方が大きいから。


恭弥はテーブルに向かうのではなく、
左手は、ソファの背もたれに置いて、
体は完全に、花凛に向いている。


「花凛ちゃん、半分こしようね?」


「うん」


「俺ね、
花凛ちゃんに会えなくて、死にそうだった」


「なにそれ?」


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