七色セツナ。2【完】




珍しい時間と言われたのは、
この店が、ランチからの営業で
現在、朝の9時前だからだ。


「恵衣は
俺がいなくても、時々来てるだろう?」


恵衣は、この店の鍵を持っている。


それは仁が、わざわざ渡したものだった。


「恵衣は家にいても、休めないからね?」


「……」


「何年の付き合いだと思ってんの。

記憶にもない、赤ん坊の頃からだよ?」


仁は、自分の分のコーヒーを持って来て、
恵衣の隣に座った。


「お前が朝から来たのは、何かを考えていて……

・・・眠れなかったから、なんだろ?」


海を眺めていた恵衣が、仁に視線を移した。


「何か問題?

家の仕事のこと?

夜天使のこと?」


「……」


「お前を知る奴らは、
”恵衣さんは、何でも出来る凄い男”
って思っているからね?」


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