七色セツナ。2【完】

第10章 それぞれの想いは /雨は、あがる。




S駅に、電車が止まる。


M駅で電車に乗るまで降っていた雨も、
今は止んでいた。


通勤、通学の時間は多少混むものの、
この小さな駅は、夜になれば利用客もまばらだ。


サラリーマンが二人と、大学生位の男が
花凛を足早に抜かして行き、改札を抜けて行った。


その後を追うように改札を通り、駅舎を抜けると


「花凛ちゃん」


名前を呼ばれ、俯いていた顔を上げる。


「・・・強さん」


その場で足を止めてしまった花凛に、
一歩一歩、近づいて来る。


「今日は、バイトだったんだね?」


「・・・はい」


「ちょっと、話したいことがあって……

ねえ、本当に英二と別れてる?」


「え……?」


「聞きたいんだ」


「・・・彼は……

何て言っているんですか?」


「・・・あいつはーー」


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