世界はキミのもの《完》

第7話 とある側近の憂鬱



 僕の主様は今、ある女の子にご執心中です。


「ん…やぁっ。だめ!」

「気持ち良いでしょ?素直に感じてくれたら、気絶するくらいにもっと良くしてあげるよ?」


 ……ごほんごほん。

 今日も真っ昼間から堂々と卑猥な会話が聞こえてきます。





 第7話『とある側近の鬱』








 いつも通り琉狼の部屋の掃除に来ると、昼間だというのに障子が完全に閉められていて。

 耳を澄まさなくても聞こえてくる可憐な声に、葵は顔を真っ赤に染めた。


「ふ…ぁ。んん!そこダメ」

「ダメじゃないでしょ。ここ、こんなに硬い」

「違っ、言わないで…っ」


 ……これはきっとあれだ。

 いやらしいことをしていると読者に思わせておいて、実はマッサージしてました。的な!!


「謀りましたね?その手には乗りませんよ、主様!!」


 一一スパンッ


 余裕顔で勢いよく障子を開けると、そこに広がっていた光景に思わず目を見張った。


「あっ葵君!?」

「……何?もしかして葵って覗きが趣味だったの?」


 想像していたのはマッサージとか肩揉みオチ。

 だけど現実に繰り広げられていた光景は全く違っていた。


「あお…い君…っ!助けて」

「葵、邪魔しないでくれる?ああそれとも見学する?」


 まさかまさかの、本当に情事の真っ最中でした。


「うあああ!すみませんすみませんすみません!!」


 直ぐさま部屋から出て障子を閉めた。部屋に背を向け、バクバクする心臓を何とか鎮めようと大きく空気を吸い込む。


「……っ」


 見てしまった。

 乱れた布団の上に組み敷かれ、帯を解かれた彼女。

 はだけた着物の間からスラリと伸びた白い脚は、普段は隠されている彼女の色めいた部分をこれでもかと言うくらいに強調していた。



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