やっぱり、キライ!【完結】

episode:4 /彼の過去



「で、結局母さんは俺に何も挨拶せず帰ったと?」


さっきまで恭介のお母さんと話をしていた喫茶店に彼がやってきたのは、彼女が帰った30分後のことだった。


「…はい、まあ」


私は苦笑いを浮かべる。



「お前は帰り方もわからないのに気を遣って、母さんを先に帰らせて寝ていた俺を起こしたと?」


「…すみません」


そりゃ、気を遣うでしょう?


仮にもあんたのお母さんなんだから。



「まあ、いいや。
もう昼だし、どっかで食べて帰ろう」


恭介はそう言って私の手を引く。


私は小さく笑って彼の背中を見つめる。



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