やっぱり、キライ!【完結】

episode:6 /もう隣にいない




何故、人は傷つかないといけないんだろう。


本当はこんなことをしたかったんじゃない。


けど、私にはどうしようも無いんだ。


「千尋、朝ご飯出来てるわよ」


恭介の家から出て行って、行くところがなかった私は実家へ戻ることにした。


泣いて悲惨だった顔を見てもお母さんもお父さんも何も言わないで私を受け入れてくれた。


「今、行く」


恭介の家から出て来てまだ1週間しか経っていない。

ほとんどの荷物だって置いてきたけど、きっとそのうち郵送してくれるだろう。


「今日は何時に帰ってくるの?」


そう言うお母さんの声が、彼の声と重なる。


"今日は何時に終わる?"


毎朝、聞いてきたその声すらもう聞けない。


「昨日と一緒くらい」


そう答えて、お母さんの作った朝食を食べる。


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