心惹かれる甘い誘惑【完結】

心惹かれる甘い誘惑 /エレベーターの中で二人きり








「あの…手、もう大丈夫です」



マンションに着くと私は樋口さんにしっかりと握られた手を見ながら言う。


震えは大分治まった。




「そう?」


と、言いつつ樋口さんは全く私の手を離さそうとしない。



「いや、あの…だから」



「まだ微かに震えてる。」



樋口さんはそれだけ言って私の手をそのまま握ってマンションの中へと進む。



そして、エレベーターのボタンを押した。



私はマンションの住人に事情があったとしてもこうやって手を繋いでるところを見られなくてよかったと安堵する。



エレベーターの扉が開き、樋口さんに手を引かれながら乗り込んだ。



「7階だよな?」


「はい…」



樋口さんはそう言って私の住む7階と彼の住む36階のボタンを押した。





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