心惹かれる甘い誘惑【完結】

心惹かれる甘い誘惑 /忘れていた大事な事





発信音に耳を傾けて、私は平常心を保つのに必死だった。


突然、電話なんかしたらどう思うだろうか。


何を言われるんだろうか。


色々な不安が私の中を駆けめぐる中、その時はあっさりとやってきた。



『沙菜…?』


久しぶりに聞くお母さんの声に妙な緊張が駆けめぐる。



『今の今まで全く連絡もよこさないで何考えてるの?!』



すると、お母さんはいきなり怒鳴りだした。



それはまるで目の前で怒鳴られてるように感じて



「ごめんなさい!!」



私は目をぎゅっと瞑って謝る。


そして、深呼吸をしてまた口を開く。



「……あの…ね、」



言わなきゃ…言わなきゃ。

ちゃんと、言わないと……。



「お正月……そっちに帰ってもいいかな?」



声を荒げるお母さんとは違い今にも消えてなくなりそうな私の声。





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