心惹かれる甘い誘惑【完結】

▼after story /Please let in your voice that love my name.






side樋口慧



よく好きな子ほど苛めたくなるという。



「(あー、本当わかる)」



俺は目の前に座る彼女をチラッと見て気づかれないように小さく笑う。


彼女は深呼吸をし、俺を見ているがもちろん俺は気づいてないフリをする。


「け…」


「ん?」



幾分にわたる葛藤が終わりようやく彼女が口を開いた時、俺は変わらず彼女の手料理を食べ続ける。



「け…け、」


「"け"?」



「け、けけけ…け、ちゃっ…ぷ、かけますか?」



「ケチャップかける料理が見当たらないけど?」




クスクスと笑って俺は彼女を見る。

顔を真っ赤にさせる彼女の顔を。


…確か、昨日は「けんちん汁」だっけかな。



「はは…そうですね」


そう言って彼女は今日の夕飯のおかずの煮魚を食べる。



何故、彼女がこんなにも顔を赤く染めてまで"け"を連発しているかというと1週間前に遡る。






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