壊れたキミと共依存

壊れたキミと放せない僕 /恋に落ちた瞬間

僕が藍葉に出会ったのは、小学校入学直後の事だったと思う。
家がそこそこ近くで登下校が同じ班だった。
きっかけはそんなもので僕達は仲良くなった。
彼女は当時から優しかったし可愛かったけれど、異性として意識していなかった当時は特にそんな事は考えなかった。
あの頃の方がよっぽど僕達は互いを見ていたのだと思う。
でも、それは只の友達というだけで、彼女にとっても僕にとってもそれ以上の存在ではなかった。
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仲良くなって少しした頃、彼女の母親が亡くなった。
後から知った話だが、母親が亡くなる前に夫婦の関係は破綻していたようで、父親はすぐに姿を晦ましてしまった。
残された藍葉は、遠くの親戚に引き取られたが、彼女の学校に残りたいという強い意志のためにとあるアパートに住むことになった。
僕は混乱した。

「何で藍葉は親も居ないのにここにまだ住むの?」

我ながら残酷な質問だったと思う。
子どもは無邪気だがそれ故の残酷な言葉を発するものなのだろうと今の僕は理解している。

「だってお母さんとお父さんとの思い出が残ってて私が知ってる世界はここだけだもん」

笑顔で彼女は言った。
彼女はそんなに深く考えずに言ったのかもしれない。
でも、僕はそれを聞いて、彼女の笑顔を見て、顔が熱くなるのを感じたのだ。

両親がそこに居なくても、藍葉は2人を愛している。

そんな彼女が可愛いと思った。
強いと思った。

僕の母さんが藍葉の母親と仲がよかったので、度々僕の家に彼女が来た。
藍葉と一緒に暮らす大人は居たけれど、藍葉はあまり好きではなかったようだ。
事実、高校生現在藍葉は一人暮らしをしている。
まだ当時のアパートで。

僕は日増しに大きくなっていく彼女への感情を抑えながら幼馴染を続けている。
この感情を伝えれば彼女は困るだろうし、もし万が一想いが結実したとしても、いずれ別れれば友達関係だって破綻しかねないからだ。
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僕が彼女を守る為に監禁したアパートは、元は藍葉の父親と母親が住んでいたアパートだった。
彼女の両親が思い出としてとっておきたいが為に一室を買った…藍葉の大好きな両親の思い出が詰まった部屋だった。

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