空が涙を流した日[完]

1





「会長」



三年の教室の窓から二人の生徒が校門を出たのを見下ろす。時計の針が下校時間を過ぎた。



「チャイム、鳴ったな」



夕陽が窓際に座る会長を照して手元に影を作る。静かな教室には会長が文字を書く音がよく響く。



「生徒会室が空きました。戻りますか」



ゆっくりと言葉を落とし込んで、静寂を壊していく。言葉の繋がらない会話が私と会長の距離を示しているようで、無性にその距離を壊したいと思った。




0
  • しおりをはさむ
  • 5
  • 58
/ 51ページ
このページを編集する