空が涙を流した日[完]

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着々と年間行事が片付いていく。それに伴って、会長がこの学校で過ごす時間もなくなっていく。


会長はこの学校の"会長"ではなくなった。受験生である先輩がいつまでも生徒会長をしているはずもなく、例年通り次の会長へと引き継ぎが行われた。



「会長」



今日もまた、教室のドアを開けて一歩も室内に足を踏み入れることなく声をかける。



「もう会長じゃない」


「すみません」



癖が抜けなくて。


先輩の声を聞いて漸くこの空間に足を踏み入れる。会長は引退したのだからもう私が先輩を呼びにくる必要なんてないのに、今もまだ私は繰り返すようにここに立つ。





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