I LOVE YOU【完】

第1章 /すべての始まり






あ、落ちる。



そう思ったときには遅かったんだと思う。咄嗟に幼なじみの大夢(ひろむ)に手を伸ばしたけれど、腕が短いせいか届かなかった。



あー……あたし死ぬんだ。


まだピチピチの高校生なのにこんなところで死んじゃうんだ。情けない死に様だって、落ちていく時呑気にそう思った。




落ちる瞬間はまるでスローモーション。

周りから見たらきっとあっという間の出来事なのかもしれないけど、あたしは妙にその時間を長く感じた。



目を閉じれば暗闇が広がる。視界だけが閉ざされた状態で体に走った衝撃は想像を遥かに超えていた。

はずだった。



体が何かにぶつかる。



…あれ。ぶつかったのはきっと床であるはずなのに、痛みを感じないのは何故だろう。そして何故硬くないんだ。床は硬くて痛いはずだ。



…なんだこれ。


ゴンッと何かに思いきりぶつかったのは確かなのに強い痛みを感じないのはどうしてなんだろう。



全くわけが分からない。意味が分からない。自分の身に起こったことを理解する暇もないまま―――プツリと意識は途切れた。



0
  • しおりをはさむ
  • 113
  • 14860
/ 428ページ
このページを編集する