下田君に振り回される。【完】






「あたしが知らないとでも思ったら大間違いなんだからねー聞いたんだからねー戎から聞いたんだからねー昨日一緒に勉強してたらしいじゃなーい」

「……あーちゃん顔怖…、」

「どういうことー?いつオトモダチになったのかなー?んー?」

「…、」

「黙ってないで教えないよーほらー」



怖い恐いコワい。あーちゃん顔本当に怖いって。ホラーだって。朝からよくそんな顔できるね、すごいね。


そんなことを本人目の前に言えるわけがなく、目をあちこちに泳がせる。その度にあーちゃんの視線が追っかけてくるからしこたま恐ろしかった。



「あーちゃん、みんな見てるから…」

「見られたくなきゃさっさと言いなさいよ」

「…、な、なんで」

「はあん?」

「…なんでそんなに、怒る、の」



あーちゃんが眉間に大量の皴を刻んだ。



「なんだって?」

「な、なんでそんなこと言うの?下田君と仲良くしちゃいけないの?」

「あんた下田がどんな奴か分かってないの?下田は暴力とか平気でふるうし、クスリとかタバコとかやってんだよ」

「そんなことしないよ!」

「はあ?」

「下田君優しいんだよ!すっごい優しいんだよ!昨日だって公園にアリの行列見つけて踏まないように必死だったんだよ!」



0
  • しおりをはさむ
  • 296
  • 15304
/ 438ページ
このページを編集する