下田君に振り回される。【完】

▽3 /この心臓は





次の日の朝、校門付近であたしはある人たちを見かけた。欠伸をしながら顔を前に向けると、見慣れた後姿を発見。



ベージュ色のクシャっとしたクセ毛に高めの身長。



すぐにそれが牛丸君だと分かったけれど、その隣に美しい人がいた。後ろから見ても分かるほど、綺麗で女子力が高そうなオーラが出ているのは東さんしかいなかった。



たとえばそれがあーちゃんだとしたら、あたしは走って「おはよう」と言いにいっただろう。でも、彼女は美人過ぎる東さんで、なおかつ牛丸君に恋をしている人であって。




「…、」




簡単にはおはようと言えない。



いやいや、それ以前にあたしは牛丸君に告白をされている身なのだ。牛丸君にまだ返事をしていないのだ。



それなのにいつものように能天気に「おはよ~」なんて言ったらなんだかとっても頭が悪い人に思われる。



…まあ、実際にあたしは頭が悪いんだけれども。





「あんた朝から何ブツブツ言ってんの」

「わっ!あーちゃす!」

「誰があーちゃすだ」




いきなりヌっと姿を現したのは、低血圧気味のあーちゃす…じゃなくてあーちゃんだ。






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