下田君に振り回される。【完】

▽3 /彼に教わる



次の日、教室に入ったら普段と何かが違うことにあたしとあーちゃんは気が付いた。あーちゃんが先に入って、その後にあたしが入って。



「…、」

「…、」

「…なんか、」

「変」



ボソリと呟いたあーちゃんに続いてあたしも感情を言葉にする。あーちゃんはあたしに振り向いて「変だよね」と眉間にシワを寄せた。




「さすがの緋奈でも気が付くくらいだから相当だよね」

「…うん、だって、あんなの…」

「…おかしいよね」

「…あんな戎君初めてだよ」




あーちゃんと顔を見合わせて、すぐにその視線を窓側の真ん中辺りの席に座る戎君に向けた。



何がおかしいって、その原因は何だって。彼に、戎君に決まってるじゃないか。



いつも教室に行くと大抵誰かと騒いでいる。朝からそのテンションはありえない、と思うくらいバカ笑いをして、下ネタとかをおっしゃていたりするのに。


大ちゃんが引くくらい異常なまでの高いテンションで、朝の教室を盛り上げているのに。



今日の戎君は大人しく自分の席に着いて、机と一体になっているかと思うほどベタリ、とそこに張り付いて動かないのだ。





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