下田君に振り回される。【完】




まさかの事実を告げられ逆に動揺してしまったけど、同じ問題なら本当にどうにかなりそうな気がした。だって何回もテストの問題解いたもん。



「ありがとう怜人君!俺自信が満ち溢れてきた!」

「うん。さすがえび君」

「宮田も頑張ろな!!」

「いたっ、痛いよ戎君」



調子に乗ってバンバンあたしの肩を叩いてきた。これで脱臼してシャープペン持てなくなったらどうしてくれるんだ。



ガハガハと盛大に笑う戎君を睨みつけていると「宮田さん」と下田君があたしを呼ぶ。身長の高い下田君を見上げて「うん?」と返事をした。



「応援してる」

「うん」

「宮田さんなら大丈夫」

「うん」

「ちょっとぐらい間違えてもいいし、別に満点とる必要なんてないから」

「うん」

「でも、名前書くのは忘れちゃダメだよ」



下田君は最後まであたしから目を逸らさなかった。その間、ちょっとだけあたしは泣きそうになってしまった。



受験当日に今までお世話になった先生からメッセージを頂いたかのような、そんな気分だった。




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