下田君に振り回される。【完】

▽3 /嫌いなところ







今日は見事な晴天。決戦の日にぴったりな天気である。



雲ひとつない真っ青な空を窓を開けて覗いていると「何してんの?」と後ろから声がかかった。わざわざ振り返ることはせず、「精神統一」と呟く。




「そんなことしてる暇あったら勉強しなさいよ」

「もうやりすぎて頭の中いっぱいなんだよ」

「戎は朝から必死こいてやってるっていうのに」

「焦ってもしょうがない」




あたしの横に来たあーちゃんは「心配だな…」と頭に手をあててため息交じりに零した。


いや、ほんとにちゃんと勉強したんだ。昨日もご飯の時間もお風呂の時間も公式をブツブツとお経のように呟いていたんだ。家族みんなに気持ち悪いと暴言を吐かれようが、あたしは挫けずやり続けたのだ。



だからきっと、今日の追試はうまくいく、はず。



「そろそろ行かなくていいの?」



教室にある時計を見ながらあーちゃんはあたしの肩を叩いた。




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