下田君に振り回される。【完】



あたしとは真逆じゃないか。あたしだけこんなに泣いてるなんて滑稽すぎる。あたしも早く清々しい気持ちになりたい。


下田君のことを忘れて、あーちゃんとくだらないことを言って笑っていられるようになりたい。



だから早くあたしは頭の中から下田君を消さないといけなかった。





――――――――…






「うっお、」

「あ、…」



朝、昇降口で牛丸君と鉢合わせた。昇降口に入ったあたしは、上履きを履いてふと視線を上げた牛丸君と目が合い、お互い固まる。



「おはよ、」




だけど牛丸君はすぐに言葉を返し、いつものように爽やかに笑った。今日は朝から暑い日だけど、それでも牛丸君は全く暑苦しさを見せない。あたしは額に汗を掻いているというのに。




「お、おう」



いつもどんな風に挨拶していたんだろう。緊張しすぎて男みたいな挨拶を返してしまった。おうってなんだ、おうって。




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