下田君に振り回される。【完】

▽4 /あの時のこと




靴を履き替えて下田君と外に出れば、まだ少し日差しが強かった。校内とは違ってやっぱり外は暑い。もう夕方だっていうのに。



あたしは半袖のシャツを着ているけど、下田君は長袖のシャツの袖を捲って七分丈。少し暑そうに見えた。



黙って下田君の後をついてきたけれど、ある場所で下田君は立ち止まる。そしてそこにしゃがみ込むから、あたしはその横で同じ体勢をした。



目の前にあるのは花壇。何ていう名前の花か分からないけれど、綺麗に咲いている。そしてこの花壇は春にあたしと牛丸君が罰として草むしりをした花壇だった。




「さっき職員室行ったらさ、」




下田君は花壇にある花たちを見つめながら突如口を開いた。




「古典の先生に頼まれちゃって」

「うん」

「最近世話できてないからやってくれって」

「そうなんだ」


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