下田君に振り回される。【完】




流れというか雰囲気で下田君と草むしりをしているけれど。どのタイミングであたしは下田君に話し始めればいいのだろう。まず何て言い出せば正解なのだろうか。



「…、」




時間と共に抜いた草の量が増えていくだけ。
下田君は何も言わない。だからあたしも何も言い出せない。


このままじゃきっと何も変わらない。


あたしは何のために下田君に会いに来たんだ。




「下田君、」




意を決して名前を呼んだ。




「あのね、あたし」

「宮田さん、」




やっとで想いを伝える決心がついた手前、下田君に遮られる。なんてタイミングなんだと狼狽えるも、あたしは口を閉じて下田君を見つめた。



下田君は変わらず花壇を見ているけれど、その手は草を抜いてはいなかった。




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