心のキズにキスをする。【完】

8.助けられる女










『無視しときゃいいのよ、そんなもん』

「…、」



次の日。夕方までバイトをし、コンビニでごはんを買って帰宅。新発売というパッケージに惹かれて買った野菜とフルーツのスムージーが不味く、二度と買わねえと誓ってお風呂に入った。


そしてお風呂上がり。テレビを観ながらも、明日香と電話をしている最中。

話題は昨日送られて来た、千野先輩からのLINEについて。



「無視でいいの?」

『下手に返したらどうせ会いたいとか言われるだけだし、また付け込まれるだけだって。無視無視』

「…既読無視?」

『どっちでもいいから無視』

「適当に言ってない?」

『大丈夫だって。何かあったら井槌さんが守ってくれる』



どこかやり投げな言葉のように聞こえる。全部井槌さんに放り投げる感じ。



『昨日の様子からして、あんたと井槌さんは今年中には絶対付き合うと思うから』

「…分かんないし」

『分かる分かる。結衣には井槌さんしかいないって』

「…やっぱ何かテキトー…」



テレビでは芸能人にドッキリをしかける番組がやっている。落とし穴に落とされて、みんなに笑われているお笑い芸人を不憫に思いつつ、明日香の声に耳を傾けた。


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