心のキズにキスをする。【完】

11.気付かれる女









それは翌日の火曜日。突然起こった出来事だった。




朝の9時に起きて、冷蔵庫にあるヨーグルトだけを食べて大学へ向かったあたしは2限の授業が行われる教室へ向かった。するとそこには既に明日香の姿があり、「おはよー」と後ろから声をかけた。



そう、ただ挨拶をしただけなのに。






「うおおおおおい!!ゆううういいいいい!!」

「!!」



こっちに振り返った明日香が恐ろしいほど眉根を吊り上げ、目付きを尖らせ、あたしに襲い掛かる勢いで立ち上がったのだ。



1番後ろの席に座っていた明日香は、そのままの勢いであたしの胸元を引っ掴み、ドンとあたしを壁に押し当てる。一体何が起きたのか。なぜあたしは明日香に胸倉を掴まれているのか。


ぶつけた背中が痛い。


あたしとそれほど身長が変わらない明日香だけど、ヒールを履いているせいでグン、とあたしを上から見下ろしている。やはりその顔は鬼のよう。




「アンタってやつは!!!!!!」

「は?ちょ、意味が、何?明日香?」



なぜ朝から怒鳴られているんだろう。周りの人の目もあるため、落ち着かせようとバシバシ腕を叩くも効果なし。



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