心のキズにキスをする。【完】

16.励まされる女






翌日。あたしは大学をサボってしまった。


体調不良でもなく、寝坊でもなく、ただ怠いとかでもなく。失恋し、ベッドから動けないという理由でサボったのは大学に入ってから初めてのことだった。





「……、」



ベッドの上。布団を頭まで被り、暗闇の中でずっと目を閉じる。

目が覚めたときは朝の5時で、あたしはそんな時間に明日香に<今日休む>と連絡を送った。



そんな時間から既にあたしはサボることを決めていたのだ。



火曜日は2限から4限まで授業が詰まっている。そんなに受けられない。集中できるわけがない。90分の授業に耐えられる精神力が今のあたしにはない。




大学に行けるわけがないだろう。こんな状態で。泣き腫らした顔で。外に出て太陽の光を浴びることさえも嫌なのに。




今が何時なのかも分からない。明日香にLINEを送ってからあたしはスマホの電源を落とした。




「…病みそう」



というかもう病んでるか。ずっと布団の中に潜って、目を瞑って、周りとの繋がりを遮断して。



昨夜からあたしはずっと病んでいるらしい。浅倉君のせいで病んでいるらしい。どうしたらこの病み期から脱出できるんだろうと思うけれど、とても今日1日では終わりそうにない。






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