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第一章 /作戦










「お邪魔しまーす」


「どうぞ」





家に上がらせてもらい、汐里の部屋に入る。




「ごめんね散らかってて」


「全然散らかってないから!」




ピンクを基調とした汐里らしい可愛い部屋。




「飲み物取ってくるね」


「おかまいなく」


「何それ、他人行儀」


「そお?」


「アハハッ!寛いでてね」


「うん」





緊張するなぁ・・・。


女の子の部屋って初めて入るからドキドキする。


男子ってこんな気持ちなのかな。




あんまりジロジロ見るのもどうかと思うんだけど・・・。






コルクボードに貼ってある一枚の写真が気になった。


チャラチャラした男と写ってる汐里。


どう見ても不釣り合い。


人は見た目で…とか以前に、合ってない。


これが元カレか?






「お待たせ・・・」


写真を見ている私に近寄ると、悲しげに瞳が揺らいだ。




「勝手に見てごめん」


「ううん、いいの」


「これが・・・元カレ?」


「・・・ん」





やっぱり。





「未練がましいよね」


「・・・まだ好きなんだ」


「うん。酷い事されたのに、嫌いになれなくて・・・」





写真を眺める汐里の表情は、恋する女の子。


よっぽど好きなんだって、表情を見れば分かる。



「愛ちゃんはどう思う?こんな私を」


「・・・おかしいと思うよ」


「だよね」


「でも本気で好きだからこそ、簡単には忘れられないってのも分かる」


「・・・」


「だからこそ許せない・・この男」


「愛ちゃん」


「汐里の愛を踏みにじって・・・」





悔しくて唇を噛み締める。





「取り返そう」


「え?」


「動画が保存されてるSDカード」


「そんなの無理・・・」


「取り返して、忘れるの。こんな男の事」


「・・うん」




絶対取り返す。


この男の顔は、忘れない。






この男の顔を目に焼き付ける。


すれ違っても気が付くように。




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