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第一章 /欲











・・・・・温かい。




アレ?私・・・雨にうたれて・・・。








ゆっくりと目を開けると、見覚えのある天井が見えた。





「・・・律の、家」




小さく呟けば、




「文句あるか」




不機嫌な愛しい声が聞こえたきた。




声のする方を見ると、律が煙草を吸いながらこっちを見ていて、阿修羅のように怒ってる。




「テメェは大人しく待ってる事もできねぇのか」


「・・・」


「何でこっから出た。どうしてVENUSにいた。なんで紫音の元にいた!!」


「律・・・」





怖いと思った。・・・けど、その表情には哀しさが見えて、心がキリッと痛んだ。


心配をかけた。でも、それは律のせいでもあって・・・。


あぁ・・・もうどうでもいいや。


今は、大好きな匂いに包まれたい。






「愛、答えろ」


「律・・・」


「答えろや!!」


「律には、いるんでしょ」


「・・何がだ」


「私じゃなくて、他にいるんでしょ?本当に愛する人が」


「何言ってる」


「私はもうおしまいでしょ」


「愛、」


「最後にギュッて抱き締めてよ」


「何言って、」


「それで終わりにするから!!」







我が儘だって分かってる。


だけど、最後くらいいいでしょ?






「愛」


「最後でいいから・・・」


「愛」


「抱き締めてよ・・・」


「愛」






溢れ出てくる涙なんか気にせず、ただただ律に訴えた。



困った顔をしながら近寄ってくる律。



手が届く距離に来たとき、私はその胸に飛び込んだ。






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