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第四章 /贈り物





結局、夢で見た幼い頃は、あの人を母親だと認識していたという事実が分かった。


居なくなって、初めて分かる事。


だけど、そんな幼い頃もあっという間に過ぎていって、今の私になる。


居なくなって、初めて分かる事。


それはやっぱり、私はあの人が嫌いだと改めて分かった。


嫌よ嫌よも好きの内。なんて言葉があるけど、そんなの、私には当てはまらない。


実際、あの人が死んでざまあみろなんて思ってる。
冷たい人間だと思われたって、全然構わない。


男にのめり込んで、薬漬けになったあの人が馬鹿なんだから。


当然の報いだとしか思わない。


昨日、あの人をお母さんだと言って泣いたのも、きっと律が優しさを与えてくれたからで、今となってはお母さんだなんて、口が裂けても言いたくない。


昨日が最期。多分、きっと、あの人の墓には一度も訪れる事はないだろう。






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