holic 下



派手な女性から香る香水に少しだけ顔をしかめた。



「アヤカちゃん?」



アヤカとは一体誰なんだろう。



未だ私を拘束したまま首をかしげる女性は一体誰なんだろう。



「…人違い、してませんか」



ようやく出た自分の声は小さかったものの女性にははっきりと聞こえていた。



「え?してないよぉ」


「私はアヤカさんじゃないです。違います」



さらに強くなる力に腕の筋肉なのか骨なのか、よくわからないけどなにかが軋んだ。




「やだ、アヤカちゃん。冗談きついよぉ~」



きついのはあなたの香水のほうですよ、と言いたくなるのをぐっと堪え女性を見据えた。

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