この声を貴方のために…

作者AQUA

とにかく歌いつづけた…いつかあの人に届くと信じて
でも、私の声は貴方のもとへ届いた
一匹狼の不良〝葉月〟と、巷で人気の歌姫〝綴瑠〟(つづる)の深い愛の物語…

誰の為に、何の為に、私が歌いつづけているかなんて


もう誰も知らない



それでいい



私はたった一人に届けたいが為に歌っているのだから…




だけど、私の声は貴方に届いた



「お前の声、何故か何処か歪に感じる。心地良いな」



そう言って、貴方はその蒼色の瞳で見つめてくる




何故、私の声は痛いぐらいに貴方に届くのだろう…