香坂さん家の孫娘─上─【完】

*9*

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夏真っ盛りのこの良き日。

私たちは。


「うぉぉ!!海ぃぃぃぃぃぃ!」

「そんなに呼ばなくても海は逃げないよ。遊佐」

「でも今にも走り出しそうじゃん。由宇」

「…そういう志月も既に海パンだけどな」

「……暑い」


……紅蓮メンバーと海に来ております。


お母さんのことが一段落してから数日。

一度男の元へと戻ったお母さんは、きちんと相手の人との関係を切ってから帰ってきた。

紅蓮にも事後報告のようなものをして、遊佐と由宇たっての希望であった、海へ急遽行くことになったのである。


…私の気晴らしに、と言われたが、正直皆(氷雨以外)が行きたかっただけだと思う。


「ほら、しいも行くぞ!!」

「え、ちょっ!」


遊佐に手を取られて、意味もなく走り出す。

…ただでさえインドア派で、日光を浴びない私。


「遊佐、ストップ」

「あ?体力ねぇな!!しい」

「遊佐!志乃ちゃんが嫌がってる!!」

「嫌がってるわけじゃねぇよ!」

「じゃあ志乃ちゃん、俺とビーチバレーやろっ」


……今日死ぬかもしれない。

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