迷宮案件 霊柩者 あらすじ
人は死ぬと葬式を行い、法律によって定められた方法によって埋葬されます。
ところが、その法律というものは実にいい加減で適当で穴だらけでくだらなかったりするわけです。
法的に見て犯罪要素のないものを警察は追求しません。従って、法律を熟知すると、不思議なことにノンモラルで不気味で悪質でマナー違反でも合法とされます。
この小説に登場するのは遺体を合法かつ悪質に処分する「香坂」というマッドな青年。
それに見出され、意図せず遺体を扱う仕事を行う少年。「武彦」
正義と悪。建前と本音の間で翻弄される警察官。「津野」
そして、究極無比、無敵で法も規律も内規も関係ない刑事「細川」。
とどのつまりは事件でない、犯罪「迷宮案件」を中心に正義の干渉やら犯罪の定理やらがやや哲学的に交錯する物語です。