サイドキック【完】

後日談 /彼らの場合






通い慣れた道を進んでいく。そして気付けば眼前に聳えるように佇んでいた校舎を見上げると、特段なにを思うでもなく歩を進めた。

そんな俺は聊か周りからは浮いた存在に思えた。

でも、今日はトクベツな日だからそんな周りでさえ俺なんて小さな存在に目を向ける余裕なんて無い。





「―――昭人!」





例えば、俺の親友はそんな奴らの中心的な存在でいつも周りには人が溢れていた。

どうして俺なんかとつるんでいるのか分からない。その、賑やかな連中と一緒に居ればいいのに。



「よ」

「なんでお前はさぁ、はー……。今日で卒業なんだぞ?せめて遅刻すんなっての」

「でッ」






でも、それを言ったところで奴が引くことは無かった。これまで、一度だって。

だから俺はそんな感情を言うことはやめにしたんだ。言ったところで、コイツはきっといつも通りのあの台詞を口にするに決まってるから。







"―――いいんだよ。俺がお前と居て居心地いいの。周りなんか関係ねーの"





まるで自己本位。世界の中心は俺だ!と豪語するような言葉の羅列。

もしかすると他の人間はそう言われると少なからず喜びを覚えてしまうのかもしれない。けれど、俺は否。



そんな捻くれ者にいつまでも纏わり付いてくるあたり、この男―――佳宏も中々のツワモノだと思ったり。






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