君と明日を駆ける



席を外してくれないなら強行突破だと思い、完全に空気を無視し切り出した。


「栞奈、私大事なこと栞奈に話してなかった。部活を休部したこと言えなくて、行ってるふりしてた。嘘ついてた」


だけど変わらず繰り広げられる談笑。誰も私の話なんて聞いていない。だけどここで逃げ出すわけにはいかなかった。


「言い出せなくてごめん。栞奈に理由を話す勇気がなかった。私、幼馴染を亡くしたの。自分のせいで。それが理由」


独り言のようにつぶやくと、騒がしかった女子たちの声のトーンが僅かに下がったような気がした。きっと耳だけはこっちを向いていたのだろう。


「きちんと話すべきだったよね。ごめんね、栞奈。栞奈のこと信頼していたし、最初に声をかけてくれた時もすごく嬉しかった。一緒にいて楽しかった。それだけ言いたくて。昼休みにこんな話ごめんね」


そう言い残すと、席へと戻った。

自分で作った壁は案外ぶ厚そうだ。きっと今まで避けてきたものはどれも私が想像している以上に厚くて、高い隔たりを作っているんだろう。栞奈が何も反応してくれなかったのも無理もない。

でも一方的だけど話せてよかった。もっと早くこうすればよかったんだと、小さくため息をつきながら椅子にストンと腰を下ろした。



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