君と明日を駆ける

1.Frustration



「休部ってどういうことだよ」


教室に人が集まりつつある朝。

教科書を机にしまう私に、有川が休部届を突き付けながら怒りのこもった口調で言った。

その声にすでに朝練から戻ったクラスメイトが、何事だと言わんばかりにチラチラと視線を寄越す。

それでもこの男は相変わらず周囲の目には無頓着で、鋭い目つきで私を見下ろし続けていた。


「読んで字のごとくだけど」


そんなことよりも、私的にはどうしてその休部届をあんたが持っているのか聞きたい。

それは昨日顧問の先生に手渡しで出したはず。なのにどうして有川が持っているんだろう。

まさか、奪ってきたのだろうか? と思う反面、こいつならやりかねないと頭の片隅でうんざりしながら、しつこい視線を遮るように窓の外を眺めた。


0
  • しおりをはさむ
  • 38
  • 11076
/ 213ページ
このページを編集する