君と明日を駆ける

8.Tomorrow




翌日から私は部活に復帰した。

半年ぶりということもあり、体力の落ち具合は想像以上だった。以前の何倍も努力して、練習をしないとインハイなんて夢のまた夢。

だけどやっぱり練習は楽しかった。どんなにクタクタになっても、翌朝にはまた走りたくなっていて、頭は走ることでいっぱい。私は休部する以前より、走ることが好きになっていた。

それに努力は裏切らない。そう信じている。それを現に知らしめた人物がここにいる。


「栗原! こっちこっち」


怪我から奇跡の復活を遂げた有川だ。

後から聞いた話、有川は骨折したことをどうやら隠し通す気だったらしい。そんなことできるはずないのに、本当浅はかという、おバカと言うか。

だけど有川の怪我があったから私は千花さんと向き合うことが出来た。

怪我なんてしなくていいにこしたことはないけど、あの件がなかったら私はまた迷って悩んで、負のループに迷い込んでいたかもしれない。

有川は自分の怪我のせいで私が責任を感じ、また走らないと言い出すのではないかと心配していたらしく。だから翌日復帰したと、全く真逆のことを報告してきた私に心底驚いていた。だけどすぐに嬉しそうな顔で笑っていた。

有川のために今度は私がなにかしたい。その思いが私を突き動かした。


0
  • しおりをはさむ
  • 39
  • 11098
/ 213ページ
このページを編集する