プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

 お揃いのピアスは嬉しくて、くすぐったい。

臣くんの言葉がホカホカと心を溶かしていく。

「オレが、あげたかったの。じゃ、ダメ? お揃いでつけたかった。じゃ、ダメかなぁ?」

そう言った臣くんの顔を思い出すだけで、バタバタと転がってしまいそうなほどだった。



家について、裏口から入ると部屋に行く。


今日はそれなりに部屋が片付いていてよかったと思いながら、ファンヒーターを入れる。
狭い部屋には、すぐに暖かい空気が流れ出した。


店員さんが臣くんに気が付かなかった話をしてクスクスと笑い合いながら温かいカフェオレを飲んでいるとドアがノックれた。

「よお、臣くん! いらっしゃい」

お兄ちゃんはなんだかうれしそうに言った。


「こんばんは。お邪魔してます」

丁寧な対応の臣くんにきゅんとする。

お兄ちゃんはニヤニヤと笑った。

私の顔を見て珍しいモノを見るような表情だ。あとできっといじめられる。

お兄さんを追い出すようにドアを閉めると臣くんは嬉しそうにパンを手に取った。


臣くんはいつもニコニコしているけれど、食べているときは本当に嬉しそうにオイシソウに食べてくれる。

美味しいかどうかわからないけれど、私のお弁当ですらそんな顔をするのだ。






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