プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

sweet sky 3 /Sakura17

フレンチトーストを作りながら、臣くんの寝顔を思い出す。


とても綺麗な寝顔だった。

眠れる森の美女ならぬ、美男だ。


あんな王子様が寝ていたら、キスをせずにはいられないだろうと、乙女チックな事を考えた自分に失笑する。

私はいつからこんなにメルヘン乙女になったんだろうか。

 昨日は「もしも」の話をしたり、キスをおねだりしたり……私にしては大胆な言動が多かったように思って恥ずかしくなる。


でも、ご飯を作っているすぐそこで、臣くんがベースを弾いてハミングをしているのを見て最高に幸せな気分だったんだ……ううん。


今もすごくすごく幸せだ。


ふふっとバカみたいに笑っているとカチャリと部屋のドアが開いた。


まだ眠たそうな顔の臣くんが私を見つめてエヘラと笑った。

「あ。臣くん……おはよう」


「うん、おはよ……なに? すごくいい匂い」


「勝手にタマゴ使っちゃったんだけど……フレンチトーストだよ」

「マジで? オレすげえ好きなんだ! やった。えへへ」

「そう? ふふふ。もうできるよ」


臣くんはパタパタっと洗面所に行って顔を洗って歯磨きをしたのか、すっきりした様子で椅子に座った。


短い髪についた寝癖に笑みがこぼれる。

「ん?」

「どうやって寝たら、その寝癖がつくのかなーと
思って」

「えー? だよな! わかんない、えへへっ」

「あはは!」

こんな朝が毎日あればもっといい……そんな事をひそかに願いながらテーブルについた。

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