プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

Cloudy sky 1 /Sakura19

 まだ入場できない一般のお客さんが開場を待って長い列を作っていた。大きなホールはオーケストラも出来る綺麗な会場だ。

 学校帰りの私たちは制服で会場までやって来た。
着替えてきてもよかったけれど、ジンさんが是が非でも制服で来てくれと言っていたらしく、みんなこのままでやって来たのだ。

「すごいね、物販も並んでたけど……買わなくていいの?」

「うん。臣くんが買わなくていいよって言ってたけど」

「マジで?」

「青野、マジで神なんだけど」

「あはは」


臣くんに言われた通り関係者入り口と書いてあるドアに向かうと並んでいる子達がこちらを見てヒソヒソと話しているのがわかった。

「ねえ、あのJK軍団。シアンの彼女いるんじゃね?」

「え、どこどこ?」

「どれ?」

「わかんない。どの子?」


こちらを見てる女の子たちを見てさっちゃんたちは嬉しそうに笑った。


「やっば。すごい気持ちがいいんだけど」

みんなテンションがあがりまくっていた。



ざわつく列を横目で見て中に入って臣くんからもらったチケットをスタッフの人に見せると「お待ちください」と言いながらリストにチェックをした。

そして「BACK STAGE Pass」と書かれたカードを人数分出して言った。

「こちらは裏に行く際には必ずお首からさげておいてくださいませ」

「はい」

みんな誇らしげにそれを下げて席に向かった。

まだ一般のお客さんがいない会場に入ると、私たちの席にはタグがかかっていてビニールに入ったツアーグッズが置かれていた。

「やばい! 青野! 好きだ」

「これ、すごい。青野ってば推しメン知ってたっけ? サイリュウムの色がちゃんと推しメン色になってる」




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