プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

Cloudy sky 1 /Sakura20

 いろんな事があって目まぐるしい毎日。

お正月にお邪魔して以来のお泊りだった。

 さっちゃんちでパジャマパーティーなんて嘘はお兄ちゃんにもお義姉さんにもきっとバレてるんだろうけれど、学校からふたりで帰れるのは本当に嬉しい事だった。

「今日、ジンさんは美里さんの所?」

「うん。久しぶりの休みだからね……ふたりで不動産屋見て回るとか言ってたよ」

「そっか……一緒に暮らすんだね」

「そうだね。今までオレのせいで同棲できなかったようなもんだからね。早く出て行って貰わなきゃ」


そう言っておどけたように笑った臣くんは少しだけ寂しそうだった。

「臣くんのせいじゃないでしょ?」

「ううん、オレのせいなの。でも、やっと18才だからね」

「?」

「あはは、ああ見えてジンちゃんは責任感強いんだ」

「そっか」


同棲。

と、いう響きがものすごくドキドキとした。


私も、臣くんと一緒に暮らしたい。


そんな事を思いながらスーパーに向かった。


「あ! 臣くん。タイムセール始まった!」

「うん?」

「あそこのワゴンでホウレンソウが1束50円なの!」

「買うの?」

「欲しいな」

「わかった、オレ。買ってくる」

ワゴンに向かった臣くんを見送って、特売の秋刀魚を籠に入れる。


冷蔵庫に何もないといていたからストックできるものを少し作って置こうとゴボウやレンコンを買う。


ワゴンに向かうと怒られたワンコのようにショボンとする臣くんが見えた。

 長身の臣くんのリーチをもってしても、やっぱりおばさま方のパワーに勝てなかったのね。と苦笑した。


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