プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

Cloudy sky 2 /Sakura21

誰かを殴るのは気持ちのいいモノではない。

私は彼女を叩いてしまった手のひらを見ながら臣くんを待っていた。

事務所に用事で一瞬行った臣くんを待って部屋でゴロンと寝転がると、手のひらがジンジンと痺れてくるような気がした。


「……悪い事しちゃったよね」

こういういい方はきっと正しくないけど、あの子はかわいそうだと思ったし、不憫でならなかった。

きっと今まで何一つ自分で決めてこなかった、選んでこなかったのだろう。

選んだ途端に壁にぶつかる。

決めた途端に道に迷う。


今まで、ずっと自分でそうしてこなかったから……回避する術を知らないのだ。

私が完璧か?

と、いったらそうではない。

どちらかと言わずとも、本当はコンプレックスの塊みたいな人間だし、妬みもするし恨みもする。

神様じゃないんだから当然だろうけど、私からすればあの子は恵まれ過ぎていると思った。

それは、本人が望んだそうなったわけじゃなくても……何もかもが手にはいるような環境なんてそうそうあることじゃない。


答えがでない問題をベッドでゴロゴロとしながら考えていると電話が机の上で振動した。

飛び起きて見ると大好きな人の名前が浮かんで、ほほが緩んでさっきまでのモヤモヤはどこかに消えていった。

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