プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

Cloudy sky 2 /omi 16

 気がつけば、あっという間に卒業式まで半月になってしまった。


穏やかなはずのバレンタインデーに事件は起こった。

事件と言うほどの事でもないかも知れない。


 でも、新聞に載ってもおかしくないぐらいの出来事を権力だとか金だとかでもみ消したのだから……きっと事件なのだろう。


 バレンタインデーの学校は、なんだかどこもかしこもピンク色に染まっているような雰囲気だった。


 案の定オレの下駄箱にもぎゅうぎゅうに詰め込まれたチョコレートがあって、教室に行くと机の上にはお供え物のようにチョコレートが置いてあった。


「……なんだこれ」

「なんだって……チョコよね?」


桜は涼しい顔で言った。


「いや……あのさ。お供えかって感じだよね」

「あはは! いいじゃない、モテモテで」

「……去年なんか一個もなかったのに」

「私、あげたじゃない」


桜はふてくされたように言った。


「そうだっけ……あ! チョココロネ!」

「そう! 思い出した?」

「やべえ」

「え?」

「オレ、お返ししてない」

「あはは、今更?」

「だよな」

「じゃあ、今年は更に倍返ししてもらわなきゃ」


したり顔をしてオレを見上げた桜に小声で返事をする。


「いいよ、いっぱい愛してあげるね、体で返すよ?」

「!」

「赤くなった」

「もう! バカね!」

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