プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

lovers' Sky2 /omi 20

 卒業式の朝はとってもいい天気だった。


 ベッドの中でカーテンの隙間から覗く空を見ていた。

 起き上がったら今日が始まってしまう……と、ウダウダしていても同じなのに無駄な抵抗をしてみる。


大きな溜息と背伸びをしてリビングに行くと、チャイムが鳴る。


「ジンちゃん」

「美里が朝飯持って行けって」


トレーに美味しそうな目玉焼きとクロワッサンがのっていた。


「クロワッサンは桜ちゃんとこのパン屋で購入した絶品でございます」

「あはは」


ジンちゃんはガランとしたリビングでコーヒーを淹れてくれた。


「……こうやってみるとさ、俺の物って意外と多かったんだな」

「うん。フィギュアとかプラモデルとかあったしね」

「そっか……臣が物が少ないのもあるんだよな」

「ああ……そうかもね」

「ベースと……CDと本?」

「うん。でも服もここに来た頃からしたら増えたよ」

「ははは! あの時はなさすぎたんだって!」


ここへ越してきた時、トランクス数枚の他は学校の制服とパジャマ兼部屋着のスウェットとTシャツ数枚、Pコート1着、ジーンズ2本。が自分の私物だったのだ。

ジンちゃんやアニやユーマくんが着なくなった服をくれたりしたけど、身長が伸びてTシャツ以外は着れなくなって古着屋サンでお小遣いになった。

「オマエ、中学の時に俺がやったTシャツ今も着てるだろ」

「うん」

「新しいの買えって」

「うーん。まだ着れるし」

「……臣のそういうとこ、俺好き」

「あはは、なにそれ」

ジンちゃんはなんだか楽しそうに笑った。

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