プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

感謝ss2

「だって、桜が美容室行きたいって言うんだもん」


「だもんってよぉ。オマエ、おとーさんだろ」

「関係ないじゃん!」

「だいたい主語がねぇよ、入って来て早々『だって』ってアホか」

ジンちゃんが溜息をつきながら振り返って、満タンの笑顔になった。


それもそのはず、事務所におんぶと抱っこで翼と司を連れてきた。

あっという間に1歳を過ぎて、大変だけど面白い毎日だった。


録音スタジオに入ると、怒られる前に申告してみた。


「ふああ! 翼!司! ジンちゃんでちゅよ! カモーン」

怒られるどころか、スタッフさんもデレッとなってるしジンちゃんはふたりにチューしながらヘロヘロになっている。

「くそー! 何でコイツらこんなかわいいんだ!」

「ふふふ! ジン。顔が溶けてるね、ってか、ふたりとも何でボーズなの。すげーかわいいんだけど」

「うん、二人とも毛が少なかったからやっと伸びてね。何か黒瀬のお父さんたちが『筆作らなきゃダメだよ!』とか言って床屋行ったらこうなったの、あはは!」

「あー! 何か言ってたな。いーじゃん、かわいいじゃん」

みんなで小さな頭を撫でると、なんだかよく解ってないふたりは嬉しそうに笑った。

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