プラスチックエリア【完】(オリジナルバージョン)

感謝SS /2

 一旦家に戻ってシャワーを浴びてリビングに戻ると美里ちゃんが来ていて、ジンちゃんはゲームをやっていた。

「あ。美里ちゃん」

「はろー臣! お邪魔してたよー」

「うん、オレね、もう出掛けるからね。ごゆっくり」

「聞いたわよ、デートだって?」

「てへっ」

ふふふ。と、笑った美里ちゃんは「カレー作って冷凍したの持ってきたからね」と言った。

オレはお礼を言って部屋に入ると着替えを終えた。

「あら、爽やか」

美里ちゃんのその声にジンちゃんが振り向いてオレを見た。

「気を付けて行けよ、性少年」

「はーい」

「臣、忘れ物ない? いい、人ごみではちゃんと手を繋ぐのよ!」

「……」

「?」

「ふたりとも、お父さんとお母さんみたいだね。えへへ! いってきまーす」

「! 早く行け!」

「あはは!」

エレベーターを降りながら今から向かう事をメールする。

了解のスタンプが来てオレはスキップしたみたいに軽い足取りで駐輪場に向かった。

自転車を軽快にこいで商店街に向かいパン屋さんの裏の玄関横に自転車を停めるとチャイムを鳴らした。


シンと、微妙な間があってドアが勢いよく開くとピカピカの笑顔の桜が出てきた。

「ごめんね。おまたせ」

「おまたせしてないよ。えへへ……その格好かわいいね」

「え!」

黒いジップアップのミニワンピースに7分丈のレギンスは裾レースで細いヒールのサンダルと鞄が真っ赤でアクセントになっていた。

「オレ、好き」

「……あ。ありがと」

「てへ」

桜の手を取ると顔を覗き込んだ。


「自転車、ここに置いといていい?」

「うん」

「さ。行こうか」

「……うん!」








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