純情ロマンチックヒーロー【完】 

「え? 定時制のコ?」

「うん、そうなんだよね。こころちゃんって言う子でね」


私はお弁当を食べながら、心ちゃんとのやり取りの事をマキちゃんに話した。

マキちゃんはサッカー部のマネージャーをやっていて、男の子たちからの人気もあるし人望も厚い。

ちなみに彼氏はサッカー部のキーパーの石田くん。
ふたりとも爽やかでお似合いだ。


「ふうん、なんかいいね。顔も知らない友達」

「うん」

「ね。学園祭とかで会えたりして、楽しみだね」

「ああ。そうだねぇ」

「学園祭の後の後夜祭とか来るかな?」

「どうだろう」


学園祭には定時制の人達のブースもあるが企画展示だった。

それでも後夜祭には参加する人も多々いて、仲良くなる人もいたりするのだ。

マキちゃんは去年の後夜祭で仲良くなった定時制の人の働いているお店で月に2度バイトをさせてもらっているし、なかなか興味深いイベントなのだ。

私はまだ見ぬ友達に思いをはせた。


「その人いくつなの?」

「わからない……いくつかな」

「定時だと、すごい年上のおばさんかもよ? でもそれはそれで楽しそうだけど」

「そうだね、聞いてみようかな」

私はレポート用紙に青いボールペンで文字を綴った。

【心さんへ
おすすめできるか判りませんが、さっきまで読んでいたのはこの本です。よかったら読んでみてください、読み終わったので返却はいつでも大丈夫です。
とても面白かったです。ちなみに、こちら高校2年です。心さんはおいくつですか? レン】


メールや電話でないやりとりは、どこまで続くだろうか?

俗に言う文通というのになるんだろうか?


そんな事を考えると少しだけおかしかった。




子供の頃はフランスから祖父母に手紙をよく書いたけれど、こちらに住むようになって両親とはインターネットのビデオコールが主な連絡手段だ。

生活のどの場面でも手紙のやり取りって本当に最近はないと思った。


「すごい新鮮だね。その子とお友達になれるといいね」

「うん」

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