純情ロマンチックヒーロー【完】 

 私は首をぶんぶんとふった。

「世界初の坊主の怖い顔ヒーローでいいよ」

「なんだそりゃ」

くすっと笑った紺野くんを見上げる。


「いっぱい助けてくれてありがとう」

涙がボロボロ出る。

きっとすごくぶさいくだ。


「うお! な、なんで泣くんだよ! あ、オレが急に変な事言ったから」

「ううん、ちがうの! ちがうの! なんか、嬉しくて……心ちゃんが紺野くんで、その紺野くんがニースのヒーローでフクのヒーローで……あ、そっか」


涙をぐいっと拭うと紺野くんに向いた。


「フクはちゃんと紺野くんの事分かってたんだね!
だからあんなに……私はダメだね……気がつきもしないで」

「そりゃ……金髪でもねえし……あの頃より背も伸びたし体格もそれなりによくなったし……わかんなくて当然だ」

私が紺野くんの瞳を知っていると感じたのは本当だったんだ。

「オレはあの頃からヒーローなんかじゃねえよ……でも、それでも」

私は紺野くんに抱きついた。
体いっぱいに紺野くんの香りがあふれる、


「!」

「私、紺野くんが好きだよ! 坊主もフクに似てる怖い顔も大好き! 全然ヒーローっぽくないけど、でもでも私にはヒーローだよ!」

「……うん」

「大好き」

「……うん」

「……紺野くんこそ、私でいいの?」

「バカ、オレはオマエを探してたんだよ」

「……」

「離してくれって言っても離さねえけど、いいのか?」

「うん……ぎゅってしてて」


紺野くんは私のオデコに軽くキスをした。


「お、おでこ?」

「どこがよかったんだ?」

「えっ!」

「バーカ」

「もう!」


意地悪に笑うと、ぎゅっと強く抱きしめた。





「あー。やべえ……すげえ、すき」



私のヒーロー。



ロマンチストなヒーロー。



私の身体中の酸素が紺野くんの香りに染まる。

優しいハグのあと、しっかりと手を繋いで帰り道を歩いた。




お月様の下でバラの香りがする風がさわわっと吹いて、向日葵を揺らした。


私たちの時間が始まる。





~to be continued later

0
  • しおりをはさむ
  • 1708
  • 5778
/ 211ページ
このページを編集する