好きと言って、キスをして。

bitter sweet /流せない涙の行方



「じゃあ、またな」
「送ってくれてありがとうございました」
「今度、飯おごる」

「そんなこと言って、誘われたためしないよ。期待しないで待ってます」
「成人なんだから、お祝いするって。じゃあな」

「…おやすみ、英二さん」
「おやすみ」

次会えるのは、いつだろう。

私はいつもこうだ。

頭では
どうしようもない恋だと分かってる。

私は彼の妹で、
ただのバイトで、それ以上にはならない。

離れていれば、考える時間も減るし、
会わなければ、それはそれで困りはしない。

だけど会ってしまえば。

私の基準は、彼に戻ってしまう。

気持ちが膨らんで、止まらなくなってしまう。

この5年、
誰にも打ち明けられずにいる想い。

よく黙ってきたなと自分を褒めたくなる時がある。

「…おっきい声で、言いたいよ」

大好きだって。


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