好きと言って、キスをして。
bitter sweet /上書きウーロンハイ
「……かーわいいっ!真っ赤になっちゃったよ伊織ちゃーん」
一瞬だけ触れ合った唇。
そっと離れて、目が合って。
南さんに言われなくたって、自分が真っ赤になってることくらいわかる。
どうしようどうしようどうしよう。
英二さんと、キス…しちゃった…。
頭が真っ白なわたしとは対照的に、
英二さんは、
「こんなのはキスに入んねーなぁ」
なんて言って、南さんと笑っている。
…そっか。
そうだよね。
ちょっと掠めた、くらいだもん。
英二さんが、ドキドキするはずもない。
見せつけられた大人の余裕に、ひどく胸が痛い。
「あは。どうしよう、英二さんとちゅーなんてしちゃったよ〜」
お酒を飲んでいてよかった。
大丈夫、笑って誤魔化せる。
「これで、亮太のキスもチャラだな」
「そうだね」
それから、何事もなかったようにお酒を飲み続けた。
あらすじ
あらすじなし
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