好きと言って、キスをして。
bitter sweet /甘美な夢
「やめだやめだ!こんなの、伊織ちゃんと先輩のいちゃいちゃ見せられてるだけじゃん!解散しよ!」
南さんが騒いでいる。
でもそんなのお構いなしって顔して、
英二さんは果てしなく自由だ。
「南、俺と伊織が仲いいからって僻むなよ」
「ちょ、英二さんっ・・」
英二さんは私の膝に頭を乗せた。
「んー?」
「………恥ずかしいよ」
「いいから。ちょっとこうしてようぜ」
「っ…」
英二さんは起き上がることなく、私の顎に手を伸ばし、優しく撫でた。
「いいなぁ、ラブラブかよ〜」
「代わって先輩」
「無理」
………酔っ払い。
拒まない私もどうかと思う。
こんな距離に、英二さんがいてくれる。
幸せすぎて、眩暈がしそう。
「伊織〜?俺眠くなった」
「……じゃあもう帰ろうよ。明日仕事でしょ?」
時計の針は12時を過ぎようとしている。
魔法が、解ける時間だ。
「……解散すっか〜」
のろのろと起き上がる英二さん。
みんなもだんだん飽き始めていたのか、
すぐに立ち上がって帰り支度をした。
あらすじ
あらすじなし
目次
この作品のレビュー
総合ランキング441位獲得!(2017年09月)