渦―UZU― Ⅰ【完】

第1章 /③

ー・・あれ、動けない。


苦しさを感じて目が覚める。


「凪・・さん・・!?」


ドアップで目の前にある凪さんの顔にギョッとした。


どうやら私は凪さんの抱き枕になっているらしい。


そして昨日どうやってここまで来たのか覚えていない。


―・・車内で寝てしまったんだ・・。


ここは凪さんのベッドで、凪さんが寝るのは至極当然。


キングサイズのベッドは2人で寝転んでもまだまだ余裕がある。


ー・・寝顔もとてもキレイ。


なんだかずるい。


凪さんは黒が好きらしく、ベッドもパジャマも部屋の家具も車も何でも黒。


ついでに身に纏う雰囲気まで黒。


凪さんが赤や青を身につける所を想像出来ない。


動くこともできないし、そんなことを考えつつしばらく見つめていると、むずむずと瞼が動いてどうやらお目覚めしてくれたらしい。


「・・悪い。」


一瞬この状況に戸惑ったあと身体がパッと離れた。

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