無知な神が少女と出逢って、魂を取り入れて、
【夢籠】を造って、【夢飼い】が生まれて。

〝あの二人〟が出逢って――。
 ようやくピースが揃う。

 僕らの命はすべて神に造られたもの。
 なら、その神という柱は何を想ふ?

 無知な神が一人の少女と出逢って、

 心を得る話。


 ――僕と君が出逢ったのはきっと、

 「必然」。


 変わるための兆しであり、

 それは全ての物語の……


 「始まり」


 だった。


 僕と君が出逢って、

 僕の世界は色を変えた。


 作業が仕事になって、

 人間というものを思いやるようになって、

 死を望む彼等を救いたいって

 考えるようになった。


 その頃、

 魂が僕の元にやってきて、

 個性が欲しかった僕はそれを

 取り入れた。

 彼女は、僕を避けるようになった。


 そのうち、彼等を救うには、

 人間界で動ける人材が必要だと気付いて、

 「今日が僕らの命日だとしたら」の

 【夢籠】を造り出した。

 

 頼みを聞いてもらう代わりに

 願いを叶えると言った。

 彼はひどく、苦しんでいた。


 それから暫くして、

 【夢籠】が浪川透夜という奴の

 願いを叶えたいと言ってきた。


 俺は叶える代わりに、

 代償をもらうように伝えた。

 やはり、彼は哀しそうにしていた。


 彼が浪川透夜を

 【夢飼い】にしてから

 幾十年が経って、

 「僕の海馬を君に贈りたい」の

 由野縁と佐藤昇汰が出逢った。

 そんな瞬間を、

 【夢飼い】は歯がゆそうに眺めていた。


 【夢飼い】が――して、

 【夢籠】を――してやりたいと思った――。


 ――こんな風に思うのは、

 僕の中にいる魂のせいなのか?

 それとも……。


 

 「ただ君を、……してる」



 こんな気持ちさえ、

 仮初めだと言うのなら、

 それはとんだ「お伽話」だよ。

 

 



 ※本作品は、

「僕の海馬を君に贈りたい」のシリーズ

 第四作目なっております。


 本作品のみでもお読みいただけますが、

 そちらも読んでいただくとさらに楽しめる

 仕様となっています。


 詳しくは作者ページをご閲覧ください。